大分県には多くの魅力があり、その魅力は生まれ故郷や過去に住んだ経験があるという人を除けば、特別に思い浮かばないというのが正直なところかもしれない。しかし、大分県は日本一と言われる温泉の街としても知られており、連日のように多くの観光者が訪れている。観光客の顔ぶれは実にさまざまで、日本国内はもとより、海外から訪れる人も多い。そして、観光客の数は増加の一途をたどっている魅力に包まれた観光地なのだ。大分県では湧き出す温泉を大々的にアピールして、観光客を誘致することに注力する一方で、農林水産業をはじめとした経済や産業の育成にも努めている。

現在のような強い大分県が作られるきっかけになったのが、一村一品運動である。この運動は、前知事によって1980年代からスタートしたプロジェクトだ。各市町村ごとに特産品を生み出して、稼ぐ力を身につけるというものだ。この一村一品運動は大分県だけでなく全国的にも注目を集めるようになり、刺激を受ける自治体も見られた。カボスや干し椎茸、ブドウなどの名産品が次々と生まれたことも、この運動の成果として挙げることができる。農作物に加えて、関あじや関さば、カンパチにクロマグロなどといった海産物の漁獲高も多く、貴重な収入源である。このような第一次産業も、大分県の強みと言える。この他に自然エネルギーにも強みを持っており、自給率が高水準を誇ることも注目したい点である。自給率は実に30%を超えており、その背景には豊富な地熱発電が大きく関係している。こういった大分県の強みは、環境保護対策を重視する日本にとって貴重な原動力だと言える。